怒りの墓場

超怒ってる

コーンポタージュと高校生のコンビニ店員

コンビニは非常によく利用するが、最近はコーンポータジュにハマっている。

この商品だ。

 

お湯をいれて10秒ほど混ぜれば食べられるのは手軽だし、パンが数個入っていてそこそこ満腹感があり、これとサンドイッチなどを購入して晩ごはんとすることが多い。

 

でだ。

 

週5日は利用するコンビニに恐らく高校生であろう店員がいる。

幼い顔つきの彼は若干人見知りっぽくはあるが、愛想もよく何より一生懸命仕事をしているのが伝わってきて、とても好感が持てる少年だ。

 

ただひとつ、彼には欠点がある。

コーンポタージュを買うと、必ずスプーンではなく箸を入れるのだ。

 

 

はじめは単なる入れ違いかとも思ったがそうではない。

かれこれ4、5回は連続で箸が入っている。

 

体験していただければわかると思うのだが、箸でコーンポタージュはとても食べづらいし飲みづらい。

カップに口をつけてすする、という飲み方はコーンポタージュらしくない。

スプーンで食べたいのだ。

(レストランなどではティーカップに入って提供される場合もあるが、それでもぼくはスプーンで食べたい。)

 

「スプーンをいれてください」といえば済む話なのだが、そう単純な話でもないのだ。

これまでは「貰ったけど使わなかったコンビニの箸入れ」にスプーンが混じっていたので事なきを得ていたのだが、ついに在庫がなくなった。

 

前回初めて箸で食べてみて「これは違う」と強く感じた。

そう、ぼくには箸をもらい続け、彼は箸を入れ続けた実績があるのだ。

 

とても、言いづらい。

 

 

そもそも「ぼくのことを認識していないから気にしなくていいんじゃないの?」という指摘ももっともだと思う。

事実、そのコンビニの横にはビジネスホテルがあり、客の出入りが激しい。

 

ぼくも1日10分程度立ち寄るだけなので、覚えられていない可能性が高い。

 

だが、なんだろう。

彼はお会計の時、ぼくの顔をめちゃくちゃ見てくる。

気のせいかもしれない。

気のせいだろう。

 

店内で品定めをしているとき、視線が追ってくる気がする。

気のせいかもしれない。

気のせいだろう。

 

なんだろうこれ。

 

というか、正直、ちょっと彼にはそっちのケがある予感がする。

別にスプーンを入れてくれ、というだけならそんなこと関係ないのは百も承知なのだが、もし気のせいじゃないんだとしたら……

 

とても、言いづらい。

 

そもそも彼はなぜ「コーンポタージュには箸を」と思っているのだろう。

たしかにカップラーメンなどの麺類は商品が豊富だし「このカップにも麺類が入っているに違いない」と間違えても……

 

いや、いや。

おかしいおかしい。

 

この商品だ。

よく見るまでもなくコーンポタージュだし、パンだし、なによりスプーンが写っている。

 

世の中には「私の見ている赤色とあなたの見ている赤色は実は違う可能性がある」という「逆転スペクトル」という哲学の思考実験があるが、もしかしたらコーンポタージュと箸とスプーンを通してぼくと彼との間でその証明がなされているのであろうか。

 

 

答えは当然彼のみぞ知る、であるし彼の家庭ではコーンポタージュは箸で食べるものなのかもしれない。

 「コーンポタージュ 箸」で検索してみても、そんな画像1枚も出てきやしないが、有り得ないとは言い切れない。

 

朝ごはんといえば「白飯 焼き魚 納豆 コーンポタージュ」なのかもしれないし、もしかしたら彼が小学校のころに男性家庭教師に体育館の裏に連れ込まれて以来、彼の恋愛対象の性別が変わったのかもしれないが、そんなことはどうでもいい。

 

ぼくはコーンポタージュはスプーンで食べたいのだ。

 

だけど、とても、言いづらい。